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茶園の点滴施肥とは、茶樹の株元に点滴かん水チューブを設置して液肥を施用する方法です。肥料成分が素早く根に到達するので、窒素施肥量を慣行施肥法から4割減らしても、収量・品質を維持でき、茶園から溶脱する硝酸態窒素の量を減らすことが出来ます。
点滴施肥を行うと、慣行施肥と比べてアンモニア態窒素の持続性が高くなり、好アンモニア性植物である茶樹が、効率よくアンモニア態窒素を吸収することが出来ます。
また、夏場の干ばつ時期に点滴施肥を行うと、適度な土壌水分を維持することができます。
比較試験を行った結果、慣行施肥と比べて茶樹の生育が促進され収量が約2割増えるとともに、品質も向上しました。
左が慣行施肥区、右が点滴施肥区の生育状況 |
点滴施肥は慣行に比べて窒素量4割削減 |
点滴施肥を行うと施用した窒素成分が速やかに土壌中に浸透し、硝酸化成菌の影響を受けにくいため、慣行施肥と比べて、アンモニア態窒素が硝酸態窒素に変化しにくくなります。
さらに、うね間マルチで雨水の浸入を防ぐことによって、窒素成分が雨水とともに茶園外へ溶脱する量が減少します。
比較試験を行った結果、茶園から溶脱する硝酸態窒素量は、慣行施肥の約7分の1に減少しました。
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