中丹広域振興局
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教員志望からファッション業界へと、就活直前に進路を変更。都会から、就職を機に府北部へ来て、希望どおりの職場で仕事もオフの時間も充実している若者がいると聞き、舞鶴市の株式会社ウッディーハウスを訪ねた。
阪口遼太(さかぐちりょうた)さん
1998年、向日市生まれ。
立命館大学で教職課程を履修、社会科の教員免許を取得して卒業し、神戸・大阪などにアパレル3業態11店舗とECサイトを展開する株式会社ウッディーハウスに入社。舞鶴市内の店舗で活躍中。
中学生のころから「ずっと先生になろうと思っていた」と阪口さん。高校の時も教育系のレポートを書いたことがあり、大学ではいじめ問題を研究して卒論テーマにも選んだ。バイトも塾などの教育関係。そんな教員一直線だった毎日が変わったのは、大学3年の時だった。就職活動が始まる直前というタイミング。そして選んだ業界はアパレル。教職とは全く違う分野だった。
「大学に入ってから服とかが好きになって。社会に出ればどの仕事も大変だし、同じ大変な思いをするなら、好きな服に囲まれて仕事がしたいと思って」と振り返る。
進路変更を伝えると、両親はまだしも、周囲はビックリ。難色を示す人もいた。そこで、「教員免許は取るから」と約束した上で説得し、「一度社会に出てから教員になってもいいやん。社会での体験を子どもたちに教えられるし」と同意を得た。進路変更に驚いていた人たちも、「仕事がめちゃめちゃ楽しい!」とイキイキ働く阪口さんの姿に、今ではみんな安心してくれているという。
数あるアパレル関係の会社の中から、株式会社ウッディーハウスを選んだのは、自宅近くのショッピングモールに店があり、お気に入りだったというのが大きい。「スタッフがお客さんと話をしながら、生活に根ざした提案をしているのが素敵だな」と思っていた。就職してからは、自分もそれを実践し、店ではメンズコーナーを任せてもらうようになった。入社2年目での抜擢は、「早くから色んなことを経験させよう」という会社の方針があってのこと。棚の場所やディスプレイなど売り場の構成全部を受け持ち、事務的な仕事やメーカーとのやり取りもこなしていく。
ノルマがあるわけではないが、売り上げは気になる。「数字が落ちるのは、お客様が求めているものと、こちらが提案するものにギャップがあるからなんです。何が求められているかを接客の中からくみ取り、喜んでもらえるアイテムを提案できた時に、一番やりがいを感じますね。数字が先じゃない、喜んでもらうことが先。お客様に満足していただけたら、数字は後からついてきます」
喜んでもらえる提案をするためには、商品知識も大切。自分の担当するメンズコーナーだけでなく、レディースコーナーの対応をすることもあり、コーナーごとの商品の選ばれ方の違いも知っておく必要がある。一から教えてくれたのは職場の先輩たちだった。「なんでも聞けるし、なんでも気さくに答えてもらえます。就職前は人間関係が大変だろうかと心配していたけれど、そんなことは全然なくて。気持ち的に楽ですね」
舞鶴という土地柄、人柄にも恵まれている。「お客様もすごく温かくて。家族…とまでは言わないけれど、単なる知り合いなんかじゃなく、親しくしていただいています」と喜ぶ。
職場と一人暮らしのアパートは、すぐ近く。仕事終わりには近所の公園の3on3コートでバスケットボールを弾ませてみたり、海までジョギングしてみたり。
休日には店のスタッフやお客様たちから教えてもらったグルメを訪ねて、自転車で遠方まで巡ってみたり。「神戸とかにも高速道路ですぐだし、京都、大阪にも高速バスで簡単に行ける。レンタカーを借りて福井県側へドライブすることもありますよ」と舞鶴暮らしをエンジョイ中だ。
いまの目標は副店長になること。その先の目標は、キャリアを積んで、新入社員やスタッフの研修担当者になること。自分が先輩たちから親切に指導してもらったように、いまも後輩たちに気さくにアドバイスをしているが、将来的は教職課程で学んだことを生かし、人材育成の面でも会社の役に立ちたいと、夢を膨らませる。
アパレルの会社として就職した株式会社ウッディーハウスだが、ファッション以外の分野にも業務は広がっている。舞鶴市を代表する観光・交流拠点施設、舞鶴赤れんがパークの管理運営を市から任された。
官民連携型賑わい拠点創出事業の公募に会社が応じ、2022年4月1日付で、公募設置等計画が認定され、長期間の管理運営が決まった。
旧海軍施設で日本遺産にも登録されている、歴史的価値のある赤れんが倉庫群。年間を通じて様々な催しが開かれていて、株式会社ウッディーハウスも、よくイベントを開いていた。「都市部の店のお客様がイベントに来られた帰りに舞鶴の店へ立ち寄り、店ごとの違いを気に入り、舞鶴ファンになってくださったりしています」と阪口さん。赤れんがパークが充実することが地域の活性化に役立つことを、管理運営が決まる前から実感していた。
「自分の会社の利益のためだけでなく、『舞鶴を元気に』というのはすごいと思う。舞鶴が元気になれば、お客様方にも喜んでいただけて、相乗効果になります。自分たちが働く会社が地域貢献に力を入れているのは嬉しいです」
赤れんがパークは現状のまま運営していくのではなく、大きなテコ入れがされていく。さっそく5月から芝生の張り替えが始まり、秋にはシェアオフィスの設置工事が始まった。冬の間にオープンテラスや空調設備の工事が進む。2023年の春から夏にかけて芝生エリアコテージがオープンする予定。更にはクラフトビールの醸造所を設置し、隣接する文庫山施設も一体開発する計画がある。大きな事業になり、ためらいはなかったのか。
志摩幹一郎社長(写真右)は「地域のみなさまから愛され続ける企業であるために」と明快に答える。
以前に開催していたイベントは、地元の事業所に声をかけてマルシェ形式で開いてきた。参加する事業所数も、来場者数も多かったのは「赤れんがパークが支持されているから」だという。「地元にとって大切な施設。なくしてしまうわけにはいきません。みなさんの協力を得ながら、やらせていただきます」と意欲を見せる。そして「阪口君のように、アパレルと地域活性化の両方に興味があり、一緒に上昇していける人材を求めています」と話している。
株式会社ウッディーハウス
舞鶴市字浜1054 NTTビル舞鶴別館
電話0773-77-5678
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