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たんたんで働く【綾部】「生まれ育ったまちで、世界に通用するものづくりをしたかったんです」国産部品工業株式会社・伊藤啓太さん、杉下航太さん


この記事は2019年2月1日、WEBサイト「わかもん~京都でつながる!動きだす!~」(https://wakamon.link/)で公開したものです。

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今回は、国産部品工業株式会社で働く伊藤啓太(いとうけいた)さんと杉下航太(すぎしたこうた)さんに、お話をお伺いしました。

 

(プロフィール)

伊藤啓太

福知山市出身。金沢にある大学で機械工学を学んだあと、2011年、国産部品工業株式会社へ入社。技術部設計課に所属。

杉下航太

福知山市出身。高校卒業後の2015年、国産部品工業株式会社へ入社。製造部製造課に所属し、金型のメンテナンスを担当している。0歳の息子と妻の3人暮らし。

国産部品工業株式会社は、自動車エンジンの根幹「シーリングパーツ」のパイオニア企業

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いきなりですが、自動車は何個の部品が組み合わさってできていると思いますか?

 

正解は、約3万点以上!

一台の自動車が走るためには、たくさんの部品が必要です。

 

今回、ご紹介する国産部品工業株式会社は、そんな自動車部品の中でも心臓部を担うパーツを製造する会社です。

 

国産部品工業株式会社は、1941年創業。もともと大阪・豊中市に本社を置いていましたが、2000年から綾部工業団地に本社を構えました。

主力となる商品は、シリンダーヘッドガスケット。あまり聞きなれない単語かもしれませんが、これは自動車の内燃機関に欠かせない部品の一つ。エンジンが動くためには、さまざまな液体や気体が流れる必要がありますが、部品と部品の隙間から液体や気体が漏れ出してしまうのを防ぐのが、ガスケットの役割です。もしガスケットが機能を果たさなければ、エンジンブローなどの重大なトラブルが起こる可能性もあります。

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ガスケットを製造している会社は何社もありますが、国産部品工業株式会社は、メタル製のシリンダーヘッドガスケットの量産を、世界で初めて成功させました。

精密な加工が求められるこの業界で、国産部品工業株式会社は省資源化、軽量化、断熱技術の向上に取り組み、シリンダーガスケットのパイオニアとして、常に新しい技術を開拓してきました。

シリンダーガスケットに加え、もう一つ主力商品となるのが、ヒートインシュレーター。これは高熱になると機能が低下してしまう部品を熱から保護する遮熱板です。

 

同時に高い遮音効果があるため、機械音などが外に漏れるのを防ぎ、車内に快適さをもたらします。

シリンダーヘッドガスケットとヒートインシュレーターは、どちらも自動車エンジンの根幹を支える部品。高い技術が求められる業界ですが、国産部品工業株式会社は複数の大手自動車メーカーにその技術を認められ、製品を供給しています。

また、若者が働きやすい職場として、国の「ユースエール認定」も受けておられる会社です。

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地元で自動車の仕事に関わりたい

どんな会社か理解できたところで、実際に働くお二人にお話を聞いていきましょう。

 

−−本日はよろしくお願いします!伊藤さんも杉下さんも、福知山の出身なんですね。それぞれどういう経験をつんで、国産部品工業株式会社に入社されたのでしょうか?

伊藤:僕は福知山にある工業高校の機械科を卒業したあと、金沢の大学で機械工学を学びました。子どもの頃から自動車やバイクが好きだったので、それらに関われる仕事がしたいなと思って。大学での勉強を活かしながら、しっかり技術を身につけられる会社を地元で探したところ、国産部品工業株式会社のことを知りました。世界に通用する技術をもつ会社なので、おもしろそうだなと。

杉下:高校生のとき、友人が自動車が大好きで、話を聞くうちに僕も自動車に興味を持ち始めました。製造や自動車業界の仕事に関わりたいと就職先を探していたとき、学校の先生から国産部品工業株式会社を紹介してもらいました。

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左:杉下さん、右:伊藤さん

−−今、どんな仕事をされているのでしょうか?

伊藤:CAD・解析を使用しての製品設計や、製品の機能評価および試験などを行なっています。製品開発のメイン担当者として、お客さまが望む製品をヒアリングし、開発・試験を繰り返しながら実用化につなげるところまでが仕事です。会社は綾部に拠点を置いていますが、お客さまは全国各地にいるため、月に数回、出張もありますね。

 

ーー設計と聞くと、パソコンに向かって図面を書くイメージが強いですが、幅広い仕事をされているんですね!

伊藤:パソコンに向かって一日中、設計をしている日もあれば、お客さまの元を訪れて打ち合わせをする日もある。メリハリがありますね。

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−−杉下さんはどんな仕事をされていますか?

杉下:僕は、ヒートインシュレーターの金型メンテナンスを担当しています。製造ライン工程で使用している金型が壊れたり、摩耗したりした時に溶接や研磨機でメンテナンスする仕事です。金型は約5000ショットほどで摩耗するので、必ずメンテナンスが必要です。金型に問題があると、ヒートインシュレーターの製品自体に影響が出てしまうので、プレッシャーは大きいですね。

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先輩から僕たちへ、そして後輩へつなぐ技術

−−金型メンテナンスは、職人的な技術が必要になりそうですね。

杉下:そうですね。5人のチームでメンテナンスを担当しているのですが、やはりリーダーレベルの方の技術は、スピーディーで品質も高い。自分の技術の磨きがいがあります。

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−−仕事での失敗エピソードはありますか?

杉下:入社当時、納期までに金型メンテナンスを終えることができなかったことがあります。その時はなんとか先輩の力を借りて、生産スケジュールに間に合わせることができたのですが、もっと技術を高めたいと思いました。

 

−−逆に、嬉しかった出来事はなんでしょうか?

杉下:複雑な金型メンテナンスを一人で直せるようになった時は、嬉しかったですね。

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−−最後にこれからの目標を教えてください!

伊藤:自分が関わった部品が使われている自動車やバイクを見ると、嬉しい気持ちになります。これからもより良い製品づくりができるよう技術を磨いていきたいです。

入社して8年になりましたが、まだまだわからないこともあります。しかし先輩は根気よく、優しく教えてくれるので僕自身の成長に繋がってきました。今後、後輩が増えていきますが、今まで僕が教えてもらったことを、次の世代につないでいけるようにしたいです。

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杉下:今の目標は金型メンテナンスのリーダーになることです。僕ができる金型の種類は限られているので、技術レベルをあげながら、まずは全ての種類の金型を一人でメンテナンスできるようになりたいです。その上で、先輩のように手際の良い仕事をして、信頼される存在になりたいと思っています。

 

伊藤さんと杉下さんのお話を聞きながら、地元には自分が知らないだけで働きたいと思える会社はたくさんあるんじゃないかなと思いました。

地元にはどんな仕事があるのだろう?その視点を持ってまちを見るだけで、子どもの頃には気づかなかった魅力的な会社に出会えるかもしれませんね。

 

国産部品工業株式会社

http://www.kbk-k.co.jp/(外部リンク)

 

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