野菜の病害虫
トマト黄化葉巻病
- 頂葉の色が黄色くなり葉が主に内側に巻いてきます。
- 病勢が進むと頂部がクシャクシャになり、株全体が萎縮します。
- 本病は、タバココナジラミが媒介します。
- 汁液伝染、種子伝染及び土壌伝染はしませんが、接ぎ木では伝染します。
- トマトでは、感染してから約10日間で発病します。
タバココナジラミ
タバココナジラミの成虫(左)と幼虫(右)
- トマトやトウガラシの他、ナス、キュウリ等でも多発しています。
- 幼虫は黄色で、葉裏で生活しています。
- タバココナジラミには、形態が同じでも遺伝的異なるバイオタイプB(従来「シルバーリーフコナジラミ」と呼んでいた。)とバイオタイプQがあります。
- オンシツコナジラミは葉に水平に広げてとまり、タバココナジラミは45度の角度に翅をたたんでとまります。
キャベツの菌核病
- 3~5月と9~11月、特に春によく発生します。
- 結球を始める頃に下葉に発生し、やがて結球部に拡大します。
- 最初、白い綿毛状の菌糸が見えますが、その後柔らかく腐ります。
- 最後には黒い菌核をつくります。
ネギのさび病
- 4~6月と9~11月によく発生します。
- 空気伝染し、被害株などは伝染源になりやすいです。
- 肥料不足、窒素過多の畑で発生しやすいです。
灰色かび病
- トマト、ナス、トウガラシ、イチゴ、キュウリ、レタスなどで発生します。
- 主に、果実や花を侵し、病斑部にビロード状のカビを密生させます。
- 12月~4月頃が最も発生しやすく、低温多湿の条件で多発します。
アオムシ(モンシロチョウの幼虫)
- 幼虫の発生時期は春から秋までで、長期間発生します。特に、春から初夏及び10~11月の被害がひどくなります。
- 幼虫は、若齢期には、表皮を残して加害しますが、成長すると葉縁部や葉の内部から穴を開け荒い食べ方をします。多数で加害した時は、葉の軸だけ残して食べ尽くします。
- 蛹で越冬します。
キスジノミハムシ
- アブラナ科野菜の害虫です。特にミズナ、ミブナで問題となっています。
- 成虫が葉を、幼虫が根を食害します。
- 葉の被害の様子は小さな穴が点々とあいた状態になります。
- 年4~5回発生します。
コナガ
幼虫
- アブラナ科の野菜(キャベツなど)や雑草に寄生します。
- 3月頃から畑で発生し、急速に増えます。
- 葉の裏から表皮を残して食害します。
- 極めて広い範囲を移動します。
トマト(トウガラシ)黄化えそ病
トマトの葉
トマト
葉では褐色のえそ斑点を生じ、葉先から黄化します。茎や葉柄ではえそ条斑を生じます。果実は、表面や内部に褐色のえそ斑点を生じ、こぶ状に隆起し、奇形となります。
トウガラシ
生長点付近にえそ斑点を生じ、わき芽にもえそ斑点を生じます。葉は黄化し、株は萎縮します。
- ナス、キク、ダリア、ソラマメ、アズキ、ゴマ、ホウレンソウ及びトルコギキ ョウなどでも発生します。その際の名前は、それぞれの作物に出た特有の症状に応じて名前が付けられています。
- TSWV(Tomato Spotted Wilt Virus)によって引き起こされるウイルス病の一つで、アザミウマ類(ミカンキイロアザミウマやヒラズハナアザミウ マなど)によって伝搬されます。
トマトハモグリバエ
トマトハモグリバエ成虫(体長約3ミリメートル)
カボチャの被害
- トマトハモグリバエは、もと中南米地域で発生していた、広食性で薬剤抵抗性の発達した侵入害虫です。
- 他のハモグリバエ(マメハモグリバエ、ナスハモグリバエ)と非常によく似ているためなかなか見分けることができません。
- 京都府内への侵入は、平成11年に初めてトマトで発生を確認し、今では府内のほぼ全域での発生を確認しました。
- 現在まで、ウリ科、マメ科、ナス科作物を中心に6科22種の農作物での発生を確認しています。
ネギアザミウマ
被害の様子
- 年間10世代以上繰り返します。
- ネギの他に、タバコやトマト、ダリア等の花き類にも寄生し、葉の表層をなめたり汁を吸ったりします。
- 主に成虫で越冬します。
ネギハモグリバエ
被害の様子
- 小さいハエの仲間で、5月頃から秋まで発生し、年間5~6世代を繰り返します。
- 幼虫は、葉の裏側や内壁に付着して食害し、食べられた部分は白い筋のようになります。
- 蛹で越冬します。
ヨトウムシ
被害の様子
- ふ化幼虫は、葉の裏側に群がって表皮を残して葉肉をカスリ状に加害します。
- 幼虫の齢が進むにつれて、加害の仕方はカスリ状から食い破られたようになり、最終的には主脈だけを残して食べるようになります。
- 最終齢に近づくと、アオムシとは異なり、昼間は土中やキャベツの結球部内に潜入し、夜間に暴食します。
- 発生は春よりも秋の方が多くなります。