最近問題となっている病害虫
トマト黄化葉巻病
- 頂葉の色が黄色くなり葉が主に内側に巻いてきます。
- 病勢が進むと頂部がクシャクシャになり、株全体が萎縮します。
- 本病は、タバココナジラミが媒介します。
- 汁液伝染、種子伝染及び土壌伝染はしませんが、接ぎ木では伝染します。
- トマトでは、感染してから約10日間で発病します。
タバココナジラミ
タバココナジラミの成虫(左)と幼虫(右)
- トマトやトウガラシの他、ナス、キュウリ等でも多発しています。
- 幼虫は黄色で、葉裏で生活しています。
- タバココナジラミには、形態が同じでも遺伝的異なるバイオタイプB(従来「シルバーリーフコナジラミ」と呼んでいた。)とバイオタイプQがあります。
- オンシツコナジラミは葉に水平に広げてとまり、タバココナジラミは45度の角度に翅をたたんでとまります。
チャトゲコナジラミ
新芽に集まった成虫
葉裏に寄生した幼虫 チャトゲコナジラミの幼虫
- チャトゲコナジラミは、近年、茶の害虫として知られるようになってきました。
- 成虫の体長は1~2ミリ程度で茶園を飛び回るのが観察されます。幼虫は葉裏に体を固定し、貼り付いた状態で成長します。
- 茶以外では、ツバキ、サザンカ、サカキ、シキミ等に寄生しているのがみられます。
トマト(トウガラシ)黄化えそ病
トマトの葉
トマト
葉では褐色のえそ斑点を生じ、葉先から黄化します。茎や葉柄ではえそ条斑を生じます。果実は、表面や内部に褐色のえそ斑点を生じ、こぶ状に隆起し、奇形となります。
トウガラシ
生長点付近にえそ斑点を生じ、わき芽にもえそ斑点を生じます。葉は黄化し、株は萎縮します。
- ナス、キク、ダリア、ソラマメ、アズキ、ゴマ、ホウレンソウ及びトルコギキ ョウなどでも発生します。その際の名前は、それぞれの作物に出た特有の症状に応じて名前が付けられています。
- TSWV(Tomato Spotted Wilt Virus)によって引き起こされるウイルス病の一つで、アザミウマ類(ミカンキイロアザミウマやヒラズハナアザミウ マなど)によって伝搬されます。
トマトハモグリバエ
トマトハモグリバエ成虫(体長約3ミリメートル)
カボチャの被害
- トマトハモグリバエは、もと中南米地域で発生していた、広食性で薬剤抵抗性の発達した侵入害虫です。
- 他のハモグリバエ(マメハモグリバエ、ナスハモグリバエ)と非常によく似ているためなかなか見分けることができません。
- 京都府内への侵入は、平成11年に初めてトマトで発生を確認し、今では府内のほぼ全域での発生を確認しました。
- 現在まで、ウリ科、マメ科、ナス科作物を中心に6科22種の農作物での発生を確認しています。
イネ 斑点米カメムシ類
クモヘリカメムシ
- 斑点米の原因となるカメムシは、約65種類いると言われており、その中でも、ホソハリカメムシ、クモヘリカメムシ、トゲシラホシカメムシ、シラホシカメムシ、アカヒゲホソミドリカスミカメ、コバネヒョウタンナガカメムシ、アカスジカスミカメなどが重要です。
- 主に7月頃に雑草地から、出穂期頃の水田に飛来し、稲穂を吸汁加害し、斑点米を形成します。
- 種によって発生回数が異なり、同じ種でも地域によって発生実態が異なりますので、その地域の発生状況を把握することが重要です。
- 畦畔や堤防などの雑草を刈り取ることにより、発生を抑制することができます(常時刈り取りが有効です。不可能な場合は、出穂10日~2週間前までに必ず刈り取りましょう)。