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「第10回文化力による京都活性化研究会」「第10回次世代の文化創造研究会」開催結果

日時

平成19年8月10日(金曜) 午後1時30分から3時30分まで

場所

平安会館3階 「羽衣の間」

出席者

懇話会委員ほか事務局(京都府)など

内容

(1)開会あいさつ

(2)議事

平成19年度文化力創造懇話会の内容と進め方について

別添資料(PDF:17KB)により、平成19年度文化力創造懇話会の内容と進め方について、事務局から提案、説明

内容の論点についての意見交換

府主催美術工芸展覧会について

  • 賞金をやめて、そのかわり個展の開催を支援した方がよいのではないか。現代美術は広いスペースが必要であるから、府の施設を貸して、広報もしてやると、賞金以上の価値があると思う。
  • これまで5、6年続けてきた美術工芸新鋭選抜展は、若い人達には一つの目標になっていたが、その積み上げてきたものを崩してしまい、もったいないと思っている。文化芸術は、事業を継続しても効果が見えにくく、費用対効果という考え方は馴染まない。費用対効果の効果は表れにくくても、やると決めた事業は、がんとしてやって欲しい。

アートフリーマーケットについて

  • フリマについて、顧客は「フリーマーケット(蚤の市)」の名称からイメージして来場しており、あくまでも個展の集まりであるというイメージを作り直さないと稚拙に見えてしまう。また、フリマと府主催展覧会の時期を合わせて、お祭りのようにできれば良いと思う。

次世代体験事業について

  • 今の子どもたちには、文化に触れる体験以外にも、生活体験、社会体験、自然体験など様々な「現実」の体験が不足している。いろいろな場所に行く、自分の足で歩くということが大切である。
  • ある高校の進学実績が上がったのは、実績を上げようとした訳ではなく、生徒がやりたいことを見つける手助けやそのバックアップを学校が行った結果である。子どもが興味を持った時にそのバックアップをしてやることが大人(学校・行政)の役割であると思う。
  • これまでの「京の子ども伝統・文化体験事業」などは、地域が全てお膳立てをして子どもはお客様扱いであった。一過性の楽しい取組みではなく、自分たちで汗を流し、苦労して伝統文化を体験する、そのことで達成感や喜びを感じられるような取組みにして欲しい。
  • 最近の子どもは習い事などで文化にふれる機会は少なくないが、親にさせられている感じがする。もっと、子どもが自ら考え、進んで行うような工夫が必要である。先日行った大阪の美術館では、小学生にもわかるような子ども向けのパンフレットが用意してあり、子どもは興味を持って作品を見ていた。そのようなひとひねりを加えることが大切であると思う。 

源氏物語千年紀について

  • 平成20年度に源氏物語千年紀事業があり、23年度に国民文化祭がある。21、22年度に何かもう一つ国民文化祭への足がかりとなるようなことができれば良いステップになると思う。源氏物語千年紀については、文化力による京都活性化の面白いモデルとなっている。現在、様々なところから問い合わせ等があり、文化をパワーとして捉える良いチャンスとなっている。 

国民文化祭について

  • 市町村合併が進むと地域間格差の問題がでてくる。国民文化祭でも地域間格差を埋めるような取組みができれば良いと思う。
  • 昭和63年の国体の時に、駅伝大会や様々な取組みを奨励したことが、「大文字駅伝」として今も続いている。国民文化祭も一過性のものに終わらせるのではなく、それをきっかけに何かを続けていくといった視点で取り組んで欲しい。 

文化施設について

  • 自分が施設を利用する時には、料金、人の流れや出会いがあるか、広報が行き届いているかを考える。施設活用の点で府がすべきことは、それらを充実させること。府立総合資料館については、何のための建物かわかりにくい。もっと周知する必要がある。
  • 先日、調べものがあり府立総合資料館へ行ったが、余り成果が得られず残念だった。資料館にとって文化に関する資料というのは目玉商品であり、そこに行けば全てがわかるといった工夫をして欲しい。
  • 歴史的に京都は、都と丹後、丹波、山城の国に分かれ、丹後の人は自分達の文化を京都の文化とは思っていない。また、福知山や亀岡など城下町は、参勤交代の影響で京都の文化よりも江戸の文化の方が強く入っていると考えられ、京都府域の文化も京都の文化であるというのは違うと考える。京都府の歴史については、資料館が取り組むべき企画だが、その前に、丹後や丹波の研究をまとめるべきであり、文芸室にも丹後担当、丹波担当などを置いてもいいのではないか。

今後の取組みについて

  • 日本の伝統的・文化的な良さや、技術の良さの認識がなくなってきている。商品をセレクトする力など、使い手の感性のレベルアップを図る必要がある。文化的・芸術的な良さがわかる市民(消費者)を増やすための取組みが必要であると思う。
  • 一般府民に芸術文化を身近に感じてもらえる施策を粘り強く続けていくことが大切である。
  • 文化鑑賞者の開発が最も重要であると思う。立派な美術品・工芸品を供給する(見せる)だけではなく、その素晴らしさ、面白さを発揮する手助けをすることで、興味を持っている多くの人が楽しめると思う。また、鑑賞者教育以前に、どこで何をやっているか知らない。公的機関の広報は平等にせざるを得ないと思うが、平面的であり、ターゲットが絞れていないために、結局誰にも届かない。
  • 京都府の文化力は上がっているか下がっているかという文化団体のアンケートでは、京都文化は衰退しているという答えが多かった。京都の文化力を作家の力と考えると、京都にどのような作家がいるかをデータベース化し、企業などがその情報を利用できるよう整備することは社会的資産となり、さらに、府が企業と作家との出会いを仲介するような仕組みがあれば、もっと作家の活躍するチャンスが拡がり、文化力の向上に繋がるのではないか。
  • 府と京都市とを比べると、市は各企業の情報が入りやすく、どのような問題があって、どう取り組めばよいかをよく把握している。府は意見に基づいて施策を作るが、実践力や攻撃を仕掛けるという体制が欠けているように思う。
    各企業も文化活動に注目している。各企業の取組み、民間活力を利用することが重要ではないか。
  • 文化的事業の企画者の育成に力を入れる。それにより、文化施設の活用の仕方も変わってくるのではないか。
  • 芸術家と地域の人との出会いの場を作ることが必要。京都を中心に全国的に活躍するアートNPOもいくつかある。それらの活用も考えてみてはどうか。
  • いいものをいいとわかる人が減り、何がいいものかわからない、美術館に行っても作品の見方がわからないという人が増え、府民の文化理解力が低下していることが、芸術品が売れないことや日本の伝統文化が廃れていることの原因であると思う。
  • 今後取り組むべき施策については、新たに追加するのではなく、現在の施策を広告宣伝し、文化理解力を高める取組みを行って、今ある事業の充実を図ることが良いと思う。
  • 文化力が落ちているという指摘があったが、落ちていないと思う。京都はいろいろな才能を輩出する底力や層の厚みがあると思う。かつては、公募展などで入賞したとか、会員になったということが社会的にも影響力があったが今はない。評価の仕方や価値観が変わってきており、事業を展開していく場合にも、今までのノウハウにはない部分をどのように盛り込んでいくかが重要である。

今後の進め方

  • 複数の委員の意見である、「感性のレベルアップや鑑賞者の開発など、見る人の感性の問題」をテーマに議論を進める。
  • 少数の委員によるワーキング会議を行い、メンバーには太田垣委員、小暮委員、小池委員、川崎委員にお願いする。

(3)閉会    

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