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「第14回文化力による京都活性化研究会」「第14回次世代の文化創造研究会」開催結果

 

日時

平成23年3月15日(火曜日) 午前10時から正午まで

場所

御所西 京都平安ホテル3階 羽衣の間

出席者

懇話会委員ほか事務局(京都府)など 

内容 

(1)開会あいさつ
 
(2)議事

平成22年度「京の文化振興プラン」関連事業実施報告及び平成23年度「京の文化振興プラン」関連事業実施計画について

別添資料(※)により、事務局から報告、説明
平成22年度「京の文化振興プラン」関連事業一覧(PDF:292KB) ※平成23年度「京の文化振興プラン」当初予算措置状況一覧(PDF:284KB)

意見交換

 
平成22年度「京の文化振興プラン」関連事業について

平成23年度「京の文化振興プラン」関連事業について

  • 京都府は、都道府県の中でも文化予算の割合が高く、平成23年度も予算額がかなり大きくなっている。平成23年度は国民文化祭の開催や、ハード事業のため予算額が大きくなっているが、平成24年度以降の文化予算の見通しについてお聞きしたい。

    (事務局)国民文化祭終了後に「京都の文化事業はこうあるべき」という議論を進め、それを根拠として予算を獲得していくということになる。また、国民文化祭の成果を反映させて「21世紀の京都文化力創造ビジョン」の改定作業を予定している。
     京都府には「京都府文化力による京都活性化推進条例」があり、条例の中で文化芸術の継承・発展・創造、次世代の育成、活性化を3本の柱にうたっている。これらを踏まえながら新たなビジョンを作り上げていきたい。
      
  • 平成23年度中に「21世紀の京都文化力創造ビジョン」の次の計画を固めていく、というスケジュールになるのか?

    (事務局)国民文化祭の成果をどう活かすかという問題を検討するため、平成24年度中に新たなビジョンを策定、平成25年度の予算に反映、というスケジュールで事務局は考えている。 
     
  • アジアの他の国家には文化戦略があるが、日本には文化戦略がない。国の事業をリードする地域は京都府以外にないと思うので、国のモデルを示す地域として事業を提案し、自ら獲得するという気概を持って取り組んでほしい。文化に関する条例もあるのだから、グローバルな中で京都府の文化をみつめて、新しい展開を試行してほしい。
      
  • 文化ベンチャーコンペティションに出てくる内容は年々レベルアップしており、背景にある文化力がどんどん向上しているのがわかる。東日本大震災により日本が非常事態となっている中で、京都から日本中、あるいは被災地にどうやってそのエネルギーを伝達していくのか、どうやって復興の役にたっていくのか考えるべきである。 
  • 文化は人間が人間である限り必要である。東日本大震災からの復興には、これから先、1年以上かかるが、その中で文化支援というか、文化的なことで何ができるかを検討してほしい。

    (事務局)東日本大震災については今の段階では物的支援を第一に考えている。関西広域連合加盟府県でカウンターパートを決めて集中的に物的支援・人的支援を行うが、京都府のカウンターパートは福島県。現地に職員を派遣し、情報収集を始めている。現地の需要をしっかりつかんで支援していくことを始めたところである。 
        
  • 人間が求めているのは心の充足であり、心のエネルギーのもとになるのが文化である。京都が何ができるか、世界に何ができるか、大きな視点で京都の文化を考える。古典はあらゆる次代の波を乗り越えて、淘汰された中で残ってきたもので、価値のある文化。古典を若い人たちに十分に堪能して知ってもらった上で、新しい文化を創造していく。そういう視点も必要。 
     
  • 平成22年度の高校生大茶会など次世代事業はとても意義があると思う。平成23年度も継続するのか。

    (事務局)次世代総合文化祭事業は事業名は変わるが継続する予定。平成22年度に学んだ方の何人かは国民文化祭本番に参画していただく予定であり、国民文化祭に向けてブラッシュアップしていく計画。 
     
  • 現在まで継承されている伝統芸能には、精神的なものがかなり含まれており、それが教育の中に入っている。次世代にきちんと受け継ぐ機会をしっかり作っていくことが重要。行動が始まる前は、心が動いて、というのが基本。発想力や創造力もそうだが、中学生・高校生が伝統的なものを通してものの見方を感じる、ということが非常に大事。
      
  • 文化ベンチャーコンペティションの文化ビジネスアイデア部門の知事賞は高校生の 「和音づくし」であったが、この提案の中には信号を渡るときの音を日本的な音に置き換えるなど、高校生でも公的な視点を持つものであった。次世代をどう育成するかということは非常に重要。
      
  • 我々がこれまで実施してきた計画に、本質的にずれはない、という視点が大事。少し言葉を変えたり、提示の仕方や提示先を変える、というような工夫から始める。文化は今のためにあるし、何も変わらない、というスタンスが必要だが、工夫は必要。 
     
  • 府の様々な事業が上手く連動し、人間・組織のネットワークが繋がっていると感じる。京都文化博物館はリニューアル後、全体としての活用法が問われている。リニューアル後、最初の展覧会として日本画の展覧会を開催予定だが、事業計画にもう一工夫必要。作家の夢も広げたい。 
     
  • 「こころの京都百選」は単に展覧会を開催するだけでなく、絵にする中身を地域で見直してもらう等、「伝える」ということをする必要がある。中国の敦煌では日本画の技術を用いて壁画の修復を行っているが、日本画は今、大学でどんどん研究室が立ち上がっている。一歩先に様々なことを経験してきた日本が、アジアや中国に対して伝えるものもあるし、結果として観光や産業に繋がると思う。
      
  • 「こころの京都百選」事業は全体の予算の中でも大きな金額の事業である。日本画の作家に作品制作を委嘱して府が作品を買い上げるという形になると思うが、なぜ他のジャンルではなく「日本画」なのか、もう少し説明がいるのではないか。

    (事務局)「こころの京都百選」は、府が日本画家に作品制作を委嘱して絵を買い上げ、100点程度収集し、様々な場所で展示して府民等に見ていただこうというもの。今の京都の産業や文化などを絵の形で残していこうという思いと、国民文化祭のテーマである「こころ」を大切にしようということがあり、作家に絵で表現していただこうということになった。どの分野でと議論した中で、日本が世界に誇る芸術として日本画があり、その中核を占める京都画壇にお願いする、ということで決定した。源氏物語千年紀(2008年)の際には工芸作家に委嘱したことがあり、今回は日本画の分野で委嘱することとした。
      
  • 文化プランを実際の形にしていくプロデュース能力をもった人の存在なり仕組みなりがそろそろ必要になってきている。

    (事務局)行政の事業でプロデュース能力が課題ということは認識しており、そこをカバーするために、文化ベンチャーコンペティションやアートフリーマーケットでは実行委員会形式を導入している。
       
  • 国レベルでは、文化庁が文化政策審議会の答申を受けて、助成金の審査や事後評価などを専門家が審査・決定する「アーツカウンシル」導入の動きが本格化している。東京や横浜でも同様の動きがある。京都府ですぐに、ということは予算や人材確保の点でできるかはわからないが、せっかくの機会なので、そういうことを考えてはどうか。

    (事務局)主に劇場芸術の分野で専門家による審査・評価の仕組みの導入と支援制度の抜本的な見直しの動きがあることは承知しており、京都府でも文化芸術会館には専門のプロデュース能力を持った職員を配置しているが、今後十分検討しなければならない課題と認識している。
      
    国民文化祭について
  • 国民文化祭の様々な行事は多彩で、基本的には「お祭り」という側面の比重が大きいように感じている。国民文化祭は全国をまわってきたわけで、この際、日本人のアイデンティティをもう一度再確認していくのが大事。次世代に向けて、文化をどのように継承させていくかというのが大事。京都市では京都に観光の拠点を設けて、観光や外国人観光客について研究していこうという話がある。京都の文化の延長線上に日本の文化があり、文化立国日本の拠点として日本の文化を定着させていくことから考えると、教育の分野、家庭での役割なども視野に入れて文化ビジョンとして準備しておく必要を感じる。
     
  • 今年は「京都文化年」ということで、国民文化祭など様々な行事を開催するが、京都は他の地域から見ると文化の都市で、京都というと文化という認識が強い。その中で、京都の国民文化祭はこれまでの国民文化祭とどこが違うのか、ということをもう少しコンセプトをはっきりと外にわかりやすく見せていったほうがいい。少し総花的。内容はいいものを揃えているが、見せ方が平板になりすぎて、外からみると何を目指しているのかわかりにくい。文化は面白い、楽しい、というだけでなく、生きるエネルギーそのもの。だからこそ、京都もずっと文化都市として一つの品格を保ってきた。そういう面もニュアンスとして表現できたら、と思う。 
     
  • 国民文化祭を開催する意味の一つは、ネットワークができること、文化のギャラリーが増えること。文化は作家や実際にやる人だけがいても成り立たず、それを観て批評する人、サポートする人など様々な人が必要。一つの作品あるいは一つの文化活動を観て、感想を述べたり関わったりしていくことで文化の循環が促されていく。国民文化祭を機に、普段は文化と関係ないと思っている人をできるだけ多く巻き込み、ギャラリーになれるような仕組みをつくれたらと思う。 
     
  • 国民文化祭が終わった後が大事。イベントをきっかけに盛り上がることもあるが、それが一つの区切りとなってその後が続かないということもある。文化はイベントで得た成果を日々の暮らしに活かし、自分たちがそれを享受してこそ初めて意味があると思うので、是非、国民文化祭の後もイベントで得られた成果が活かされるような取り組みをお願いしたい。 
     
  • 小中高校生に日本の伝統文化を教える、一緒になって学ぶという事業は素晴らしい。京都府の学校に、特別に文化を学ぶ事業などはあるのか?

    (事務局)京都府教育委員会では、平成22年度から茶道と華道をやっていこうということで、平成22年度は試験的に十数校で茶道を体験していただいた。平成23年度は府立高校全てで茶道を体験していただき、華道についても取り組もうということで準備中。 
     
  • 京都の学校ならではの教育というのは、精神論も含めて文化を教えることである。京都には人間国宝もたくさんおられるし、伝統文化を現代に活かしている方もおられる。様々な分野の方を招いて子どもたちに教えていくという教育を連続的・継続的に続けていくことが最も大切。いくら外国語が話せても、京都や日本のことを知らずに国際性は絶対に生まれない。教育はその根源をなすものなので、義務教育のときから京都ならではの教育をしてほしい。 
     
  • 次世代の育成事業について、小中学生はもとより、高校生が参加する事業が最近増えているのがいい。次世代育成の観点を国民文化祭以降もずっと継承してほしい。
      
  • 京都の文化はみやこに地方の人々やものが集まってできたものである。従来の、京都の文化を発信していくという取り組みも賛成するが、そこに地方の人々の心も考えていくという意味で、今回大震災に遭われた方の国民文化祭への参加に対し温かい配慮を行い、京都は地方の人の心・文化も大切にしていること、地方の方々の参加を歓迎している、という気持ちを出してほしい。
      
  • 国全体として古来のよきものを見直すという方向がでてきている中で、京都府はトップをきっていかなければならない立場にあり、高校で伝統芸能、伝統文化、伝統音楽を取り上げているのは素晴らしい。皆が芸術家になるわけではなく、様々な立場で一生芸術に関わっていくことになる。高校生は力があるので、イベントに参加する、観客となる以外にも、裏方の仕事をどんどん経験させてあげたい。 
     
  • 国民文化祭で出会った人たちが国民文化祭終了後も引き続き活動していける場所を行政が準備してほしい。既存施設の活用方法を検討し、空き部屋を安価に使用でるシステムや、簡単な手続きで利用できる場所を府内様々なところに作ってほしい。 
     
  • ハッシュタグまゆまろ(ツィッターのまゆまろ)はある程度アップされているが、まだかなり少ない。ツィッターやフェイスブックなどの情報発信は大変だが、若い人でやってもらいたい。英語や中国語、ハングルなど外国語についても、短くていいので情報発信を。ホームページやソーシャルメディアの伝達力は強いので、京都府内のメディア関係者と提携して情報発信をしてほしい。
     

    (3)閉会

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