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CRCC Asia・京都府連携「米国大学生インターンプロジェクト」で米国人大学生のアイゼック・福村ホワイトさんが7月からインターン生として京都府に来ています!
今回、実習プログラムとして、アイゼックさんと学研課職員が、けいはんな学研都市の研究所で活躍する外国人研究者の方々にお会いし、インタビューを行いましたので、レポートを紹介します。
インタビューの目的
地球環境産業技術研究機構様(RITE)、理化学研究所様、関西光量子科学研究所(QST)様にお伺いし、外国人研究者の方々にけいはんな学研都市の良いところ、課題点、そして他の研究者との交流や交通事情などについてお話をお聞きしました。
地球環境産業技術研究機構(RITE)
地球環境産業技術研究機構では中国出身の曹さん、インドネシア出身のマリアさんの2名の方にお話しを聞きました。曹さんは二酸化炭素の回収と貯留の研究、マリアさんはバイオ燃料やバイオ化学品をバクテリアで生産するための発酵システムなどの研究をされています。お二人とも日本の大学で博士号を取得し、現在は同機構の研究員として研究されています。けいはんな学研都市について質問する中で、自然豊かで過ごしやすいところが利点である一方、鉄道がなく交通が不便であるなど、街の課題についてもお話しいただきました。また、学研都市で研究者同士の交流の場として、それぞれの研究内容を発表するセミナーの開催などがいいのではとのご意見をいただきました。お二人とも東京で過ごした経験がある中、周りの環境の良さを理由に、暮らすならけいはんな学研都市とお答えされていたのが印象的でした。
理化学研究所
続いては理化学研究所。ガーディアンロボットプロジェクト(GRP)という、人に寄り添うこころを持つロボットの開発を目的とするプロジェクトメンバーの方々にお話をお聞きました。人間とロボットの表情と感情について研究されている台湾出身の許さん、ロボットの内部記憶について研究されているメキシコ出身のアンヘルさん、ロボットの動きについて研究されているヨルダン出身のホザイファさんの3人にご協力いただきました。学研都市は環境的には安全かつ静かでいいところであるが大都市へのアクセスは不便だと感じているとのこと。サッカークラブや日本語教室などで他の研究者との関わりを持っている方もいらっしゃいました。その一方で研究所の建物内部での交流はあるが他の研究所の交流もあれば良いと思っているとの意見もありました。また、日本で暮らす中で困ったときにアドバイスを受けられるようなサポートネットワークがあればいいとの声もありました。
関西光量子科学研究所(QST)
最後に訪れたのは関西光量子科学研究所。インタビューにご協力いただいたのはイギリス人のフィリップさんです。同研究所にて光子と光源の研究開発をされています。学研都市の交通に関して、生活するには車が必要になってくるので公共交通機関がもっとあれば良いとのご意見をいただきました。しかし学研都市は人口が少ないため費用や労働力などの面で難しいかもしれない、ともおっしゃっていました。また、研究者同士の交流について、全く違う分野の研究とコラボし、新しい研究ができたらいいとのことでした。
インタビューを終えて
今回ご協力いただいた研究者の方々は、けいはんな学研都市で働き、学研都市内やその周辺で暮らしており、それぞれ学研都市での滞在歴やライフスタイルなどは異なるものの、いくつか共通の課題認識があることに気づきました。
1つ目は、交通について。公共交通機関がさらに充実すれば、外国人研究者だけではなく、けいはんなと周りの都市の人々がもっと簡単に通勤、けいはんなの観光地などに旅行できたり、周辺の大都市へのアクセスが容易になると考えます。
2つ目は、交流の場について。研究者向けの交流イベント(セミナー、会議など)に加えて、けいはんなの外国人住人に向けの地域のイベント、日々の生活のサポートネットワークや英語の掲示板とかができたらいいと思います。特に初めて来日する研究者にとって、サポートネットワークのように日本での困りごとを共有し手助けがもらえる場は重要だと思います。
3つ目は、けいはんなの自然豊かな景観についてです。ほとんどの方がけいはんなの自然豊かさ、静かさ、安全性について話されていたことが印象に残りました。その美しい風景を守って、“けいはんならしさ”を強めていくのが大切だと思います。
最後に、インタビューにご協力いただいた研究者の皆様、貴重なお時間いただきましてありがとうございました。また、京都府学研課の先輩方のサポートも大変お世話になりました。
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